[回答]
血液透析は「疲れる治療」で、治療後に全く疲労を感じないという方は、むしろ少ない印象です。
ですが、もちろん私どもはできるだけ疲れない治療を目指しています。
●除水量について
さて、その疲労の原因ですが、一番は除水(水分を引くこと)です。
血液透析は腎臓の働きの肩代わりをする治療ですので、オシッコに相当する水分を治療中に取り除きます。これを除水と呼んでいます。
1回の治療で水分を除去する量は、前回の透析から増えた体重分で計算をします。例えば、前回から1kg体重が増えていれば1kg(=1リットル)除水をしますし、3kg増えていれば3kg(=3リットル)の除水をするのです。
そして、その除水量が増えれば増えるほど、透析後の疲労感が増すようになります。
ですから、透析間で体重が増えすぎないように、塩分制限と水分制限を指導されていると思います。
もし、増加が多いようでしたら、塩分・水分制限がうまくいっているかどうか確認してみて下さい。
●尿毒素について
血液透析で尿毒素をたくさん除去すると疲労感が増すことがあります。
理屈の上では、尿毒素はたくさん引いた方がいいのですが、自覚症状としては、たくさん引くと疲れることがあるのです。
お若い方でしたら、がんばってたくさんの尿毒素を除去するようにしますが、御高齢の方の場合には、自覚症状が楽な方を選択して、尿毒素の除去を少なめにすることがあります。
この場合には、尿毒素の除去性能があまり高くないダイアライザーを 使うようにします。
お母様の年齢にもよりますが、もし、ご家族から御覧になって大変すぎるようであれば、ダイアライザーの変更も主治医の先生や臨床工学技士と相談してみて下さい。
ただし、尿毒素の除去を減らすと、むずむず足が悪化する可能性がありますので、慎重に行いたいところです。
●血圧について
また、血圧も重要です。
血圧は下がりすぎるよりも高めの方が自覚的には楽に感じる方が多いですが、極端な高血圧は体調を悪くします。
ですから、血圧のコントロールがどのようになっているのかも、注意をしてみて下さい。
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