(質問のつづき)
SMAP法ではカテーテル留置期間が長い方が良いのか、個人差で変わるのか教えてください。また、APDは座った状態で行っても問題はありませんか?
[回答]
●カテーテルを留置する場合の問題と期間
腹膜透析のカテーテルを留置する場合、一番問題となるのは腹膜を貫通する部分からの液漏れです。
SMAPは、この腹膜貫通部を先に手術しておいて、腹膜透析を開始するタイミングで、カテーテルを体外に引き出すことで、腹膜貫通部の創傷が治る時間を確保することができて、液漏れが生じにくくなるというメリットがあります。
SMAPでない従来の手術のやり方では、カテーテルを留置する手術の直後から、最初は少ない量の腹膜透析液を入れて治療が開始されます。そのため、液漏れのリスクがSMAPよりも大きくなります。
腹膜貫通部の傷がきちんとふさがるためには、2週間あれば十分だと思われますので、それ以上留置期間を延ばすメリットはあまりないように思われます。
ただし、カテーテルを体外に出す(2回目の)手術は治療開始のタイミングとなりますので、まだ腹膜透析治療が必要ないのであれば、2週間以上おいても特に支障はありません。
●APDは座った状態で行えるか?
次にAPDですが、座った状態で行ったときに、排液が十分にできるかどうかが問題となります。
また、注液に関して、APDの器械を足元など低い位置に置くと、液の注入のために寝た状態で行うよりも高い圧力を必要としますので、場合によってはアラームが鳴って、器械が停止してしまうかも知れません。
器械を高い場所におけば、この点は解決しますが、今度は排液がしにくくなる可能性が大きくなります。
要は、注排液がスムーズにできれば、座った状態でもよいのですが、私は、APDに関して、すべて寝た状態で行っていただいておりますので、座った状態で治療をした経験がありません。
申し訳ないのですが、主治医の先生や、APDのメーカーの担当者にお聞きになってみて、お試しいただくのが確実と思われます。
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