[回答]
●透析治療と血圧
透析をお受けになっている方では、高血圧を合併している方が多く、約70-80%という報告もあります。
それらの方々の多くは降圧剤を内服されています。
また、透析治療そのものは血圧を下げやすい治療です。
透析によって、一部の方は血圧が上昇しますが、多くの方では血圧が下降します。
なかには、血圧が下がりすぎてしまうため、十分な透析治療が行えない方もいらっしゃいます。
この2点をまずは押さえていただければと思います。
●開始前と開始直後の血圧測定
開始前の血圧は、「来院時血圧」です。
透析をお受けになっていない方の場合は外来で測定する血圧ですから、この値で、大まかな血圧のコントロールを判断します。
透析開始直後に血圧が急に下がる方がいますので、それをチェックするために開始直後の血圧を測定します。
●返血前と返結後の血圧測定
透析中は、少なくとも1時間に1回は血圧を測定するように、透析医学会のガイドラインで推奨されてます。
このため、返血直前には血圧は測定しないこともあります。
当院では、だいたい返血の30分前に測定するようになっています。
返血が終了すると、血圧を測定し、下がりすぎがないかどうかを確認します。
もし血圧が下がりすぎているようなら、しばらく安静にしていただいたり、下肢を挙上していただいたり、場合によっては補液を行うなどして、血圧が安定してから退室(外来透析患者さんの場合は帰宅)していただくのです。
繰り返しになりますが、透析治療では血圧が不安定になることがしばしばありますので、頻繁に血圧測定を行うのです。
実り多い実習になることをお祈りいたします。
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