(質問のつづき)
一般的には血液をサラサラにする治療が行われるが、透析患者の場合は経過を確認するのみとなるとのお話でした。 そこで、認知症について専門的な対処を行っている「物忘れ外来」の受診はどうなのだろうかと考えています。 しかし、もの忘れ外来の医師は透析について専門外でよくお分かりにならないかも知れず、受診の意味があるのかどうか心配しています。
[回答]
ご質問の中には年齢が書かれていませんでしたが、文面より、ご高齢の方と拝察してお答えいたします。
●治療について
糖尿病から腎臓を悪くされて、透析を始めて12年とのことですから、いろいろな症状が出てきます。
脳梗塞の跡があったり、脳の萎縮が認められたりするとのことですが、問題は、この脳梗塞や脳血流の減少が行動異常の原因となっているのかどうかです。
もし、そうであれば、それに対する治療が必要となります。
現在では、透析治療をお受けになっている方に対しても、狭くなっている内頸動脈を拡げる手術治療が行われることがありますし、血液をサラサラにする薬も何種類かあって、それらを使用することもあります。
●物忘れ外来の受診について
しかし、認知症の原因が脳の血流不足ではなく、いわゆる「アルツハイマー病」の可能性もあります。
その場合には、アルツハイマーに対する治療を行うことになります。
この点から、「物忘れ外来」を受診されることは決して無意味ではありません。
むしろ、症状が重症化してしまう前に、一度専門の先生に診てもらっておくことは重要だと思います。
●受診する際にお勧めしたいこと
物忘れ外来の先生が透析のことをあまりご存じないかもしれないというご心配はもっともです。
ですから、もし物忘れ外来での治療が必要となった場合には、透析の主治医の先生と物忘れ外来の主治医の先生との連絡をきちんとしていただく必要があります。
そのために、まず透析の主治医の先生とよく相談をされて、物忘れ外来を受診する際には紹介状(診療情報提供書)を書いてもらってから受診をしていただくことをお勧めします。
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