[回答]
●不均衡症候群について
血液透析をお受けになると、頭が痛くなったり、吐き気がしたり(実際に吐いてしまったり)という症状が出ることがあります。
ご質問にあるとおり、「不均衡症候群」と呼ばれています。
この症状が出やすいのは、透析を始めたころ(導入期)です。
透析治療をお受けになる前は、血液の中に老廃物(尿毒素)がたくさん貯まっています。
透析ではこの尿毒素を除去するのですが、お体が尿毒素に「慣れている」と毒素が除去された血液が、かえって体調を崩すことがあります。
詳しい説明は省かせていただき、きわめておおざっぱな説明ですが、これが「不均衡」です。
上に書きましたように、基本的には「慣れ」の問題ですので、透析を続けられて、お体が尿毒素が除去された血液に慣れてくると、不均衡症候群の症状は出にくくなります。
●不均衡症候群かを確認する方法
ご主人が「透析をお受けになり始めて1年半が経過する」とのことですが、さすがに不均衡症候群が出るには、遅い印象があります。
もちろん、透析から数年が経過しても不均衡症候群が出ることがありますので、絶対に違うとは断言できないのですが、念のため、違う病気や原因が隠れていないかどうかを確かめておきたいと思います。
まず、不均衡症候群かどうかは、グリセオールという点滴をしながら透析を行うことによって、おおよその診断が可能です。
もしかしたら、すでにご主人はこのグリセオールの点滴をお受けになっているかもしれません。
点滴を行いながら透析をすると、頭痛が明らかに楽になるのであれば不均衡症候群の可能性が大きいです。
反対に、あまり効果を感じられないのであれば、不均衡症候群以外の原因を考えることになります。
●検査とその他の原因で考えられること
症状が頭痛と吐き気ですので、ほかの症状がなくても、念のため頭のCTやMRIといった検査をお受けになっていただいた方が安心です。
また、ドライウェイトがきつい(下げすぎている)と、不均衡症候群と似た、頭痛と吐き気が出ることがあります。
この場合は、ドライウェイトを上げてあげると、症状は比較的すみやかに改善をします。
不均衡症候群以外の可能性も考えておいた方がよいと思われますので、主治医の先生とよく相談をされて、今後の対応をしてみてください。
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