(質問のつづき)
今回、通院施設の改修工事に伴い「オンラインHDFも選択できる」と言われました。オンラインHDFにするメリットと、デメリットがあればお教えください。
[回答]
HDF療法については、全国的にオンラインが主流となりつつあります。
●オンラインHDFのメリットとデメリット
オンラインHDFは、オフラインHDFに比べて大量の補液が可能になることがメリットです。
オンラインHDFでは、補液を透析液から行います。無尽蔵と言えば言い過ぎになりますが、透析液はオフラインでぶら下げるバッグに比べれば大量にありますから、それだけHDFのメリットを生かせることになります。
当院では36リットルの置換を行っている方がいらっしゃいますが、これだけの置換はオフラインでは難しいと思います。
また、オフラインでバッグをぶら下げる手間がなくなります。
これは、一見治療をお受けになる患者様のメリットではなく、スタッフのメリットのように思われますが、実際にはそうではありません。
ぶら下げるバッグが多くなれば、接続するチューブが開通していなかったり、置換液のバッグ(2種類の液を混合させる必要があります)の混和ができていなかったり、というミスが発生しやすくなります。
つまり、治療の確実性から考えても、オンラインHDFの方が優れている、と考えられます。
患者様側からのデメリットは特にありません。
●オフラインHDFは透析液の清浄化が重要
重要な点は、お体の中に透析液が入ることです。
置換液に透析液を使用しますので、患者様の血液の中に透析液が直接入ります。
ですから、透析液を清浄化しておくことがとても大切です。
透析液を作る機械室から、各ベッドまでの配管、各透析機械まで、すべての透析液の通り道をきれいにしておくことが必要で、かつ、それを継続させなければなりません。
透析液の清浄化が確保されていることを、定期的に(頻繁に)チェックすることも重要です。
これは、かなりの労力(臨床工学技士の)とお金を必要とします。
簡単に言ってしまえば、オンラインHDFは「熱意」を必要とする治療だと言っていいと思います。
透析をお受けになっている施設がオンラインHDFを始められるということは、院長先生をはじめ、スタッフの皆さんがこの「熱意」をもってHDFに取り組んでいこうとされていることだと思います。
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