[回答]
透析をお受けになっている方は、一般的に血が止まりにくくなっています。
これには2つの理由が考えられます。
●1つめの理由は腎臓が悪くなっているからです。
腎臓が悪くなると、老廃物(尿毒素と呼んでいます)が血液中にたまります。
この尿毒素が、血液を固める作用をもつ血小板の働きを邪魔することが知られています。
血小板は「かさぶた」の元と考えていただいてよいのですが、この血小板の働きが悪くなるために、血が止まりにくくなるのです。
●2つめの理由はクスリの影響です。
透析中に血液が固まってしまうと、治療が行えません。
そのため、透析治療中は”ヘパリン”という ”血液が固まりにくくなるようなクスリ”を使います。
このヘパリンが効いている時間はおよそ数時間程度と考えられていますが、透析治療があった日では、このヘパリンの作用が残っていることがありますから、そういう時にケガをすると血が止まりにくくなります。
また、腎不全の合併症として脳梗塞や心筋梗塞などがありますが、これらの合併症を予防するために、血液をサラサラにするクスリをおのみの方もいらっしゃいます。
血液をサラサラにする作用を持つお薬は、血を固まりにくくするので、このようなクスリを飲んでいる方では、血が止まりにくくなることがあります。
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