(質問のつづき)
透析34年、変形性腰痛症、人工股関節(両足)で1ヶ月半前の検査では異常はありませんでした。足に痛み、シビレはありませんが、末梢の足の冷感は前からありました。
[回答]
●筋肉の力が入りにくくなる原因
手足に限らず、筋肉の力が入りにくくなる原因は、おおよそ3つあるとお考えいただきたいと思います。
(1)筋肉が衰える
筋肉が衰えているのであれば、基本的な対策はリハビリテーションです。
プールで運動をされているとのことですが、是非継続していただきたいと思います。
(2)筋肉に命令を伝達する神経にトラブルがある
神経のトラブルには、脳梗塞のように中枢性のものと、手根管症候群のような末梢性のものとがあります。
足の力が入らない場合、手根管症候群のようなアミロイドが原因となることはあまりありません。
しばしばみられるのは脊柱管狭窄症といって、腰の背骨のところで神経が圧迫されて足の力が入りにくくなる病気です。
しかし、腰椎の検査をお受けになっているとのことですから、脊柱管狭窄症は考えにくいと思います。
(3)筋肉に血液が十分に届いていない
血液が十分に流れてくれなくなる閉塞性動脈硬化症も、透析をお受けになっている方によくみられる、しかも重大な合併症です。
おおざっぱに言ってしまえば足の血のめぐりが悪くなるのですから、足に冷感がでてきます。これはあなた様の症状と一致します。
しかし、血のめぐりが悪くて筋肉の力が入らない場合は、運動をすると症状が悪化するのが一般的です。プールで運動した後、症状が一時的であれ改善するとなると、閉塞性動脈硬化症は考えにくいのかなと思います。
●原因の究明と対策についてのご提案
もし、これまで血流の検査をお受けになったことがないのであれば、ドップラー血流計やフォルムという機器を用いた簡単なスクリーニングが可能です。
これらの検査機器はかなり普及していますから、現在、透析治療をお受けの施設にも備わっているかも知れません。
主治医の先生と相談をしてみて下さい。
原因が上記の(1)~(3)のいずれであっても、運動を継続することはとても大切です。
痛みを我慢するなど、無理をしてはいけませんが、そういう症状がなければ、主治医の先生と相談していただきながら、プールに限らずいろいろな運動を試みていただきたいと考えます。
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