[回答]
●DWとは何か?
DWは、その患者さんにとって、体内に余分な水分がない状態の体重です。
余分な水分があると、むくみになったり、心臓に負担を掛けたりします。
透析患者さんでは、オシッコの量が減ってしまっている方がほとんどですから、 透析で水分を除去しないと、体に水分がたまってしまいます。
DWを設定することによって、その患者さんにとって水分量が もっとも好ましい状態を決めるのです。
●DWの決め方
どのようにDWを決めるのかというと、これは簡単なことではありません。
計算式で求められるようなものではなく、一人一人の患者さんに対して、 経験的にというか、試行錯誤をしながら決めていくものです。
適切なDWであれば、透析終了時の血圧が高くありません。
また、むくみがありません。
定期的にチェックをする胸部レントゲンで、心臓が大きくなっていませんし、 胸水も認められません。
反対に、透析終了時に極端な血圧低下や、こむら返り、意識消失などが あったら、それも「適切なDW」とは言い難いのです。
以前は、透析で除水をしていった時に、血圧が下降する直前をDWとする といった決め方がありましたが、これも経験的な決め方です。
ですから、DWは計算式で求めるものではないと考えて下さい。
●除水量の決め方
DWが決まれば、除水量を決めることは簡単です。
透析前の体重をチェックして、DWとの差を計算して、 その分を除水すればよいのです。
たとえば、DWが50kgの患者さんが、透析前の体重が51kgだったとすれば、 除水量は1kg(=1,000mL)ということになります。
実際には、治療開始時に透析回路やダイアライザーの中の 水分(ヘパリン加生食)が体内に入ってしまいますから、 これらも加えておく必要があります。
また、透析中に食事などをする場合には、その食事やお茶などの重さを 除水量に加える必要があります。
そうして、透析治療が終わった段階の体重測定で、DWになっていること、 上の例で言えば、50kgになっているように除水量を設定するのです。
ですから、除水量の設定は、同じ患者さんであっても、 透析をする日によって毎回違っているのです。