[回答]
●表在化という手術について
「動脈を外に出す」というのは表在化という手術のことだと思います。
この表在化は、一時ほとんど作られなくなってしまいましたが、 最近再評価されて、また手術の件数が増えているようです。
なんといっても、心臓に負担がかからないというのがメリットです。
長期の使用には耐えられませんから、どちらかというと ご高齢の方に向く手術の方法です。
表在化と人工血管と、どちらがすぐれているかは議論のあるところです。
シャント医の経験で決まるところが大きいと思われます。
●腹膜透析について
腹膜透析は、おなかに大きな手術(たとえば胃がんなどの手術)の痕が なければ、ご高齢の方には穏やかでいい治療だと考えます。
それで「これ以上の負担をかけたくない」という点が気になったのですが、 動脈の表在化や腹膜透析が無理だというほど、お父様の状態は お悪いのでしょうか?
71歳で透析歴が6年であれば、年齢と透析年数からすると、 (もちろん、ご本人の状態がよろしければという前提ですが) 人工血管・動脈表在化・腹膜透析のいずれもが適応と なるように思われます。
さらに、お体の調子が悪くて、あまり長期の予後をお考えになれない 状態なのであれば、ポート付きのカテーテルという管を、首のところに 埋め込み、それを用いて血液透析を行う、という方法もあります。
穿刺(針刺し)も比較的容易ですし、もちろんお風呂にも入れますから、 これも選択肢の一つとなりうると思います。
主治医の先生とよく相談をしていただき、 今後の治療方針をお決めになってみて下さい。
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