(質問のつづき)
主治医に相談し、降圧剤が増え、ドライウェイトが減りましたが、 それでも下の血圧は下がりません(140/120)。原因として考えられることを教えてください。
[回答]
●血圧について
ご存じの通り、血圧には上の血圧(収縮期血圧)と 下の血圧(拡張期血圧)とがあります。
下の血圧が透析中だけ高い、しかも最近高くなったので、 それ以前は高くなかったとのことですね。
下の血圧が高くなるのは、若い男性に多いと言われています。
肥満やタバコによっても下の血圧が高くなるという報告があります。
また、下の血圧が上がる原因ですが、もともと高血圧の原因が 完全には解明されていないので、原因はわからないことが多いのです。
●ヘマトクリットについて
上に書いた要因以外に、透析をお受けになっている方では ヘマトクリットが上がりすぎていないか、 血圧を上げるような2次的な病気が隠れていないか、などを考えます。
ヘマトクリットは、最近ではヘモグロビンでお話をする透析施設も 増えていますが、貧血の目安ですね。
30から36%程度が目標値とされていますが、これが 上がりすぎると、下の血圧が上がることがあります。
●ホルモンについて
2次的な病気、と書きましたが、私たちの体の中では 数種類の血圧を上げるホルモンが作られています。
このホルモンが作られすぎてしまう病気があって、その場合には 下の血圧が上昇することがあります。
ホルモンは、簡単に血液の検査で測定できます。
これらの検査を行っても、なお原因のつかめない血圧上昇もあります。
高血圧の原因究明はなかなか難しい問題です。
●ドライウェイトについて
ドライウェイトの減量について書かれていますが、 ドライウェイトが不適切な場合は、通常は上の血圧も一緒に上昇をします。
もちろん、治療としては、ドライウェイトを減量することは いけないことではないと思われます。
その治療ですが、基本的にはお薬(降圧剤)で下げるのが現実的です。
お薬を追加・増量しながら治療をお受けになっていただきますが、 血圧を下げることは、基本的には急ぎません。
主治医の先生と相談をしながら、根気強く治療をお受けになってみてください。
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