(質問のつづき)
また、変えることのメリット、デメリットはあるのでしょうか?
[回答]
●ダイアライザーを変更する意味
ダイアライザーの変更には大きく分けて、二つあります。
一つは、大きさを変えること。
もう一つは、膜の種類など、ダイアライザーの銘柄を変えることです。
ダイアライザーを大きくすると、それだけ尿毒素がたくさん除去されるように なりますから、現在の透析で毒素の除去が不十分だと考えられるときには ダイアライザーを大きくします(他に、透析時間を延ばしたり、血流を 増やしたりしても、毒素の除去はよくなります)。
膜の種類を変更すると、やはり、毒素の除去効率がよくなったり (悪くするような変更はないと思います)、 血液との相性がよくなったりします。
生体適合性と呼ばれていますが、透析をお受けになっている方の血液と ダイアライザーの膜の素材との相性は、とても重要です。
相性が悪いと、透析で血圧が下がってしまったり、残血が出たり、 血小板が低下してしまったりという現象が出現することがあります。
膜素材との相性は、実際に使用してみないと、事前にわかるものではありませんので、 現在使用されているダイアライザーよりも、相性のよいものと 判断されて、変更になったのかも知れません。
また、生体適合性は問題なくても、膜を変更することによって、より毒素の 除去がよくなることがありますので、そのような場合にも、ダイアライザーが変更されます。
膜の素材が同じでも、銘柄ごとに毒素の除去率には差があります。
このため、より除去効率のよいダイアライザーが選択されたのかも知れません。
●変更においての留意点
どのような場合であれ、ダイアライザーの変更は、透析をお受けになっている方に メリットが大きいように行われます。
けれども、先ほど述べましたように、使用してみたら相性がよくなかった、 ということがあり得ます。
たとえば、大量の残血が出てしまったり、血小板が下がったり します。これが、デメリットとなる場合です。
そのような場合には、もとのダイアライザーに戻してみたり、さらに他の ダイアライザーに変更をしてみたりします。
どのような理由でダイアライザーが変更となったのか、 主治医の先生や臨床工学技士におたずねになってご覧になるのが よろしいかと思います。
Comments