(質問のつづき)
時間の制約が増えたり、食事制限が行われるのではないかと心配です。
[回答]
●血液透析と腹膜透析との併用療法
血液透析と腹膜透析との併用療法ですが、確かにそういうやり方があります。
しかも、近年、この方法が腎不全の治療方法として優れている、 という報告があがってきていて、私たちのクリニックのある静岡市でも、 このやり方を勧めている先生がいらっしゃいます。
ただし、申し訳ありませんが、当院ではその経験がありません。
●併用療法の実際
腹膜透析を行いながら、週に1回血液透析という方法が多いようです。
メリットとして、腹膜を休めることができるため、腹膜が長持ちする、 ということがあげられます。
お聞きになっているかもしれませんが、腹膜には寿命があり、 個人差はありますが、だいたい5年くらいで腹膜透析はできなくなります。
そうすると、選択肢は血液透析しかなくなってしまうのです。
一方、血液透析は食事制限や水分制限がある程度厳しい治療です。
ところが、腹膜透析を併用すると、この食事制限がかなり緩和されます。
また、血液透析は原則として週に3回の治療ですが、併用であれば、 上に書きましたように、週に1回の通院ですみます。
●食事制限について
ご心配されている食事制限については、併用療法だから 厳しくなる、ということはありません。
腹膜透析単独であれば、通院は月に1-2回程度ですみます。
また、血液透析のように針を刺されることもありません。
血液透析単独であれば、自宅での治療は不要で(自己管理は必要ですが)、 治療はすべて医療機関(病院・診療所)で行われます。
●ご本人、ご家族、主治医で相談を
もし、併用療法を行うと、どちらもやらなければいけないわけです。
ですが、それだけのメリットもある治療ですよ、ということになります。
お祖母さまのお体の状態や、自己管理が可能かどうか、ご家族のご協力が どの程度得られるか、など、さまざまなことを考慮しながら、どの治療法が よいのかを考える必要があると思います。
ご家族でも相談をなさって、主治医の先生のご意見もお聞きになってみて下さい。
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