[回答]
●症状について
ご相談の症状は、肺に水がたまった症状としては典型的です。
腎臓が悪くなって、オシッコの量が減ってしまい、飲んだ分の水分が すべてオシッコにならないと、少しずつお体に水分がたまってきます。
このたまってきた水分は、むくみになったり、肺にたまったりします。
むくみで苦しくなることはないのですが、肺にたまると、 息苦しさが出るようになり、この症状は横になると悪化するために、 座って寝るようになります(「起坐呼吸」と呼ばれています)。
透析治療をお受けになると多少、楽なるとのことですが、これは透析治療で よけいな水分を除去(除水といいます)しているからです。
●透析治療をすれば良くなるのか
基本的には、透析治療をお続けになって、除水を進めていけば、 この症状は取れてくれるはずです。
けれども、透析治療で除水をしてもなかなか症状が取れきれないことも あります。
この場合、原因の多くは心臓にあります。
心臓の働きが悪くなっているときには、除水を進めても 呼吸困難がとれないことがあります。
また、同じく心臓の働きが悪いときに多いのですが、 透析治療での除水が難しくて、十分に除水ができなくなることもあります。
たとえば、呼吸を楽にするためには、1回の透析治療で2kgの除水が 必要だったとします。
機械で設定をすれば、その通り2kgの除水はできるのですが、 透析治療を行っている間に血圧が下がってしまい、 透析治療を中断せざるを得ないことがあります。
そうすると、2kgの設定だったのに、透析治療が終わってみると 1.5kgしか除水ができなかった、というケースもあるのです。
先ほど述べましたように、このように除水が不十分になってしまう 原因の多くは、心臓の機能低下にあります。
また、自己管理が不十分で、水分制限ができていないときにも このような事態が生じます。
ただし、「食欲がなくなっている」とのことですので、 水分を摂りすぎている、ということは考えにくいと思います。
●確認したいこと
このような場合は、まずは主治医の先生に、計画通り除水が 進んでいるかどうか、心臓の働きには異常がないのかどうかを お聞きになってみてはいかがかと思います。
心機能に問題がなければ(加えて、肺の病気がないことも もちろん大切ですが)、除水することによって、 症状は次第に楽になってくれると思います。
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