[回答]
透析をお受けになっている方の中では、不眠を訴える方が多く、 眠剤(睡眠薬)や安定剤といったクスリ以外に、有効な方法が あまりないため、患者さんを悩ませるものです。
ここ1年間くらい不眠がひどいとのことですが、 いったい何が原因(あるいは引き金)となって、 不眠となってしまったのかわからないことも多いのです。
不眠を解消するための方法を3つご紹介します。
1)透析中に眠らない
不眠を訴える方の中には、透析中にぐっすりと眠っている方を 多く見かけます。
透析中に眠ることで睡眠時間を確保する意味はあると思いますが、
「透析中に寝てしまうから、よけいに夜眠れなくなる。」
ということもありますので、透析中に眠ってしまうようであれば 何とか眠らないような工夫もする必要があるかもしれません。
2)透析効率を上げる
詳しい尿毒素の値はそれほど悪くないと仮定しても、 不眠の原因は毒素であると考えられていますので、検査の値がよくても さらにたくさんの毒素を除去するために、透析効率を上げる方法は、 特に害もありませんので、試してご覧になる手はあると思います。
毒素をたくさん除去するためには、
透析時間を長くする
血流を増やす
ダイアライザーを大きくする
の3つの方のがありますね。
この中で一番いいのは透析時間を長くすることです。
3)クスリを使う
さて、それでは実際に透析効率を上げれば、不眠が解消するか、 というと私の経験では、これは無効なことが多いのです。
そこで、この方法が無効な場合にはクスリを使っていく。
ということになります。
クスリを使った睡眠と、自然な睡眠は違うのだから、クスリは 使用しない方がいい、というのは正論ではありますが、 眠れなくて十分な睡眠時間が確保できないよりは、 クスリをおのみになって、睡眠時間を確保した方がいいと考えています。
眠剤の中には、持続時間が短いタイプのものと、ある程度 長いタイプのものがあります。
持続時間が短いクスリは寝付きの悪い方に、持続時間が長いクスリは 夜中に目が覚めてしまう方に使用されますが、透析をお受けになっている 方の不眠に対しては、両者を併用する(つまり2種類のクスリを一緒にのむことに なります)必要があることが、ままあります。
また、両者の併用を勧める先生もおいでになります。 もちろん、1種類のクスリで十分に眠ることができれば、 それにこしたことはありません。
クスリをおのみになるのであれば、この点をお考えになって、 主治医の先生とよく相談してみてください。
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