[回答]
HDFで心臓に負担がかかったりすることはなく、むしろ心臓にとっては 通常の血液透析よりも負担が少ない治療方法です。
安心してHDFをお受けになっていただきたいと思います。
HDFは大量補液・大量除水を行う治療です。
仮に6Lのサブラッドを入れている。と考えてみます。
もし、透析間で2kgの体重増加があれば、通常の透析では この2kgを除水するのですが、HDFではそれに加えて 6L除水しなければなりませんから、 合計で8kgの除水をすることになります。
なぜ、一方で補液をして(サブラッドを入れて)、その一方で除水をする ようなややこしいことをするかというと、この治療法を行うと 通常の血液透析では除去できない毒素(中分子などと呼んでいます。
ベータ2ミクログロブリンがその代表です)が、効率よく 除去できるからなのです。
メリットはそれだけではなく、心臓に負担をかけにくい治療であることも わかっています。
例えば、心臓のはたらきが悪くなって、通常の血液透析では血圧が 下がってしまい、治療が難しい方などに、HDFが選択されることがあります。
それでは、サブラッドが血中に残ったりしないか?ということなのですが、 これを100%ゼロにすることは、残念ながらできません。
例えば、上に挙げた例ですが、8kgの除水をしなければならないところ 6kgしか除水ができなかったら、2kgの水分が残ってしまうことになります。
また、反対のことも起こりえますね。
6Lの補液をしなければならないのに、4Lしか補液ができなかったら、 それでも8kgの除水は行われてしまいますから、2kgの除水のしすぎが 起きることになります。
このようなことが起きないように、HDF用の機械は、より厳重な精度が 求められ、除水不足や過除水が起きないような、安全機構が備え付けられています。
けれども、機械といえども「絶対」ということはありませんから、 治療中に、血圧が下がりすぎないかなど、透析室のスタッフも チェックをこまめにするようにしているのです。
実際に私たちのクリニックでの経験では、過除水や除水不足は ほとんど経験していませんから、安全性という意味では、それほど 心配されることはないと思います。
とにかく、HDFはとてもすぐれた治療法ですから、メリットの方が ずっと大きいと思ってください。
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