[回答]
透析とECUMの違いは、「透析液が流れているかいないか」 しかありません。
透析では透析液が流れていますし、ECUMでは流れていません。
では、どうして治療法としてこの2つがあるかですが、 ECUMの方が、同じ量の水分を引いても(除水をしても)、 血圧が下がりにくいのです。
ECUMは別名「水引き」と呼ばれたりしますが、その名の通り 除水は行われて、尿毒素はほとんど除去されません(わずかに 除去されるだけです)。
透析では、尿毒素と水分が同時に除去されますよね。
尿毒素と水分を同時に取り除くよりも、水分だけを取り除いた方が 血圧が下がりにくいことがわかっています。
ですから、毒素よりも水分をたくさん除去したいけれど、血圧が 下がりやすくて、うまく除水ができない時にECUMが行われます。
具体的には、体重増加が多い時に、4時間の透析を行い、 30分とか1時間のECUMをそのあと引き続き行ったりします。
そうすると、4時間の透析では、水分と毒素が除去されて、 あとのECUMの時間では水分だけが除去されることになるのです。
また、当院では週3回の透析のほかに、週に1回ECUMを 行っている方もいらっしゃいます。
ECUMだけの方が血圧が下がりにくいですから、この時に たくさん除水をしてしまおうというわけです。
けれども、大切なことは透析時間で十分に除水ができるよう 水分制限をすることです。ECUMを併用することは 決して好ましいことではありません。
ECUMを行わなくても、透析だけで除水が完了するように 自己管理を心掛けていただきたいと存じます。