[回答]
足がつる(いわゆるこむら返りですね)のが、透析をした夜に限るのであれば、 まずは透析の除水が引き金になっている「つり」が考えられます。
いくつか原因と対処方法をご紹介しますが、 くれぐれも、主治医の方とご相談のうえ、対処してください。
最初にすることは、ドライウェイト(透析での設定体重)が、 ご自分に合っているかどうかを検討することです。
適切なドライウェイトよりも引きすぎると、こむら返りが起きやすくなります。
次に、体重が増えすぎていないかどうかを確認します。
水分制限は、透析をお受けになっている方たちにとってとてもつらいことですが、 体重が増えてしまって、1回の透析で引く水分の量が多くなると、 たとえドライウェイトが適切であっても、やはりこむら返りが 起きやすくなるのです。
透析と透析の間の体重の増加は、ドライウェイトの 5%以内(もっと欲を言えば4%以内)にしたいのです。
それでも足のつりがおさまらないようであれば、お薬を使ってみます。
私たちのクリニックでは漢方薬の「芍薬甘草湯」というクスリを のんでもらっていますが、これによってこむら返りがかなり楽になる方が多いです。
この漢方薬は、保険がききます。
また、透析中に塩化カルシウム(注射薬です)を 透析の回路から入れることもあります。
ただし、これはその患者さんの血液のカルシウム濃度との兼ね合いがありますから、 すべての患者さんに行うことができる治療ではありません。
また、これはすべての方に効くわけではありませんが、カルニチンという 栄養素を補給することによってこむら返りが楽になる方がいます。
カルニチンは筋肉に対して、好ましい効果があることが学会で報告されています。
心臓の筋肉の保護作用もあることが、ほぼ確実です。
残念ながら保険が適応されませんので、自費購入していただくことになります。 どの程度の量をのむかによってもかわってしまいますが、 1月で3,000円程度になると思います。
さて、もしもこむら返りが生じるのが、透析の日の夜だけではないとすると、 除水によって引き起こされる「つり」ではない可能性が大きくなります。
その際には、まず原因を究明しなければなりませんが、 よくわからないこともしばしばあります。
このような透析(除水)と関係のない「つり」であっても、 芍薬甘草湯やカルニチンが有効なことが、よくあります。
まずはドライウェイトと水分制限について検討してみてください。
お薬を使う場合は、主治医の先生と相談して処方してもらう ことになります。
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