腎臓・透析のきほん
- 食事の管理 -
透析療法では自己管理が必要ですが、なかでも食事療法は最も重要となります。
必要な栄養素とその調整を正しく理解し、食事療法を実践しましょう。
具体的な内容は、主治医の先生や管理栄養士、看護師に相談しましょう。
食事療法のポイント
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適切なエネルギーの摂取
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良質なたんぱく質の摂取
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塩分・水分を控える
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カリウムやリンを控える
栄養管理のポイント
透析患者様の
正常な腎臓は24時間休むことなく働いていますが、血液透析患者の場合、概ね週3回、1回当り3~5時間程の透析治療時のみとなるうえ、腎臓の働きすべてを代行できるものではありません。そのため、日々の食事管理による調整がとても重要です。
1.適切なエネルギーの摂取
エネルギーが不足すると抵抗力の低下や貧血などを招いてしまうため、適切な食事を行うことが大切です。しかし、食べ過ぎや運動不足による太りすぎも動脈硬化や心臓病を合併しやすくなるため体に負担が少ない体重をめざしましょう。
2.良質なたんぱく質の摂取
透析患者様は、必要な量のたんぱく質を摂取していないと透析に負けて栄養失調や貧血やむくみに繋がりやすくなってしまうため、継続的な摂取が大切です。
しかし一方で、たんぱく質を摂取しすぎると、体内に老廃物(尿毒素)が蓄積するので、尿素窒素(BUN)やリン(P)、カリウム(K)の上昇につながります。
自分の体格に合った適量のたんぱく質をとることが大切です。
※たんぱく質量が多く、リンの含有量が少ない食材(納豆、鶏手羽、鶏ひき肉、豚もも肉、卵白、ブリなど)を意識しましょう。
3.塩分・水分を控える
水分をとりすぎてしまうと、体重増加による、むくみや呼吸困難、血圧上昇といった症状が現れ、心不全などの原因になります。食事中の水分含めて確認し、過剰に水分をとりすぎないようにしましょう。
4.カリウムやリンを控える
透析患者様はカリウムが排泄されにくいため、血液中のカリウムが高くなりやすい傾向があります。しかしながら、血液中のカリウムは低すぎても高すぎても生命に危険を及ぼすため定期的に検査を行い確認することが大切です。
カリウムは生野菜、果物、海藻類に多く含まれているため、カリウムを減らしたい場合は、水にさらしたりゆでこぼしをしたりすることが効果的です。
リンは体内のカルシウムと結合して、骨や歯を丈夫にしますが、腎機能が衰えると、血中にリンがたまり、体はバランスを保つために骨からカルシウムを取り出すため、 骨がもろく弱くなりがちです。そのため、リンの摂取量を減らすことが必要です。
リンは加工食品や練り物などに多く含まれているため注意しましょう。