透析Q&A

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Q376.

入院中の93歳になる祖父が医者から透析をすすめられて迷っています。 入院したのは2週間ほど前で、少し風邪気味だったのが徐々に呼吸困難となり入院に至りました。入院までは、杖をつきながらですが、自分で自分のことはできていた状態です。 現在は寝たきりで食事も点滴となり、気管挿管をしておりますが、意識はかなりはっきりしています。 肺気腫の既往歴があり、現在の検査の結果では心筋梗塞の様子もあります。 家族としては、本人の意識がはっきりしていることもあり、できる限りのことはしたいです。 ただ、意識があるだけに本人に苦痛が伴うものは避けたいとも考えております。 年齢・病状を考慮すると、退院の見込みは少ないかもしれませんが、せめて一般病室で、家族が付き添える形まで回復できないものかと思います。 透析をするか否か、するとしたらどのような方法にするかの判断にあたり、家族の介護に伴う経済的・物理的・心理的負担を除いて、医療上で考慮すべき事柄(他の病状との兼ね合い)や、メリット・デメリット、事例などご教示頂けますと大変幸甚です。


おじいさまのことを気遣われるあたたかなお気持ちが、ご質問のメールから伝わってきます。

●透析治療の導入に迷う方は少なくありません

ご高齢の方の腎機能障害に対して、透析治療を始めるかどうか、ご本人やご家族が迷われることが少なくありません。

おそらく、主治医の先生も迷われているものと推察いたします。

元にあった肺気腫の重症度がわかりませんが、現在は気管内挿管をされていて、心筋梗塞もあるということであれば、たいへんな状況であると思われます。

●現在のご様子から推察した透析治療のメリット

このような状況の中で、透析治療の果たす役割ですが、お体に適切な水分を調節できることと、尿毒素を除去することで、「体内環境(というのが正確かどうかは議論がありますが)」を好ましい状態にすることができます。

それによって、心筋梗塞や肺気腫・呼吸不全といった状態と戦おうとされているおじいさまのお体を助けていこうとするのです。

一般病室に出られないものか、気管内挿管の管が抜けないものか、と願っていらっしゃるご家族のお気持ちを考えれば、透析治療によっておじいさまの病気に対する抵抗力を助けることは、意味があるものと思います。

●透析治療を導入した場合

一方、その透析治療がおじいさまにとってつらいものにならないのか、結果としておじいさまの状態が改善しなかったとしたら(その可能性もあると思われます)、透析治療が無駄になるだけではなく、おじいさまにとってはかえって望ましいものではなくなってしまうことも、これまたあり得ることです。

デメリットを心配されていますが、透析治療がお体に対してデメリットとなることは、ほとんどありません。

ただ、ほんの短い期間の延命だけに終わってしまった場合に、ご家族や医療者に後悔を残すことはあり得ることです。
体のあちこちから管を入れられた状態で、命の最期を迎えることはどなたでも望まないことだと思われます。

●回復の可能性について

そうなると、大切なことは、おじいさまの回復の可能性です。

今回の入院前は、ご自身の身の回りのことは自立されていたようですので、それに近い状態まで回復をする見込みがあるのであれば、透析治療をお勧めしたいと考えます。

この点について、主治医の先生はどのようにお考えなのか、十分に説明を受け、また、ご家族の間で相談をされることをお勧めします。

私たち透析医も迷うことがないわけではありません。

ですが、透析治療を始めるかどうか、お決めになるのはご本人やご家族だとしても、上記のようなことを考えながら、透析をお勧めするのかしないのか、その判断は常にしながら、診療をしております。
主治医の先生も同様ですので、是非いろいろと相談をしてみてください。

明確な回答になっていないかもしれません。申し訳ありません。
おじいさまの回復を心からお祈りいたします。



[回答日 2014/5/13]

 

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