透析Q&A

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Q294.

最近、右腕のシャントの周りを無意識にかいてしまい、 69才の兄について質問します。透析は1年4ヶ月位になります。 今日も「透析の最後15分前頃、血圧が下がったので透析治療を止めてもらった」と電話がありました。 今日だけでなく何回も聞いたので心配です。 なぜ血圧が下がるのでしょうか。またどのように対処すればいいのでしょうか。

透析治療で血圧が下がる原因は、大きく分けて2つあります。

■原因1■除水をすることで血圧が下がる

1つめは除水をすること、つまり水分を除去することです。
除水をすることは、特に心臓への負担を減らすためには、とても大切ですが、時に血圧低下の原因となってしまいます。

●水分管理がしっかりとできていない

例えば、水分管理がよくない方で、透析と透析との間で体重が増えすぎてしまう方では、血圧が下がることがよくあります。

この場合は、水分制限を今よりも厳重にして、体重が増えすぎないように気をつける必要があります。
(ドライウェイト=設定体重の4−5%以内が目標です)

●リフィリングが悪く、血管内が脱水になりやすい

水分制限がきちんとできていても、除水に伴って血圧が下がることがあります。

透析治療での除水は、血管の中から水分を除去します。
そうすると、まず血管の中が脱水傾向となり、血管の外に存在する水分(たとえばむくみなどがこれにあたります)が血管の中に引き込まれて、その脱水を補正してくれます。これをリフィリングと呼んでいます。

血管の外にある水分がスムーズに血管の中に戻ってきてくれればよいのですが、このリフィリングに時間のかかる方と、時間のかからない方がいます。
つまり、個人差があるのです。

リフィリングの悪い方は、血管内が脱水になりやすいので、
除水をすると血圧が下がりやすいことが知られています。

対策としては、グリセオールというお薬を使用するなどして、血管外の水分が血管内に戻りやすいようにします。

ドライウェイトの設定がきついと、水分制限がきちんとできていて、かつ、リフィリングがスムーズであっても血圧が下がってしまいます。
この場合にはドライウェイトを上げることによって、対処をします。

■原因2■透析治療中に末梢の血管が拡張してしまう

2つめは透析治療中に末梢の血管が拡張してしまうことです。

末梢血管が拡張してしまうことにより血圧が低下する方もいらっしゃいます。

これは血液が透析回路−ダイアライザーを通過するときに、その血液とダイアライザーとの相性が合わない場合に血管が拡張する物質が出てきて血圧が下がるものと考えられています。

このような場合は、ダイアライザーの膜の種類を変更したり、末梢血管を収縮させる薬剤を使用して透析を行ったりします。

■まとめ■透析治療での血圧低下対策

まとめますと、透析治療での血圧低下対策は以下のようになります。

(1)水分制限を厳重にする
(2)リフィリングをよくする対策を立てる
(3)ドライウェイトが適切かどうかを検討する
(4)ダイアライザーの種類を変更したり、末梢血管を収縮させる薬剤を使う

これらのうち、(1)はご自身ですぐにできることです。
(実際には水分制限はなかなか難しいのですが・・・)。

(2)から(4)は主治医の先生と相談をしながら決めていくことに
なります。お兄様にもお伝えください。


[回答日 2011/4/26]

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